秘密のワザを解明
翌日。
ホームベーカリーくんに焼いてもらったホカホカの焼きたてパン。

焼きたてパンは普通のパン切り包丁ではうまく切れない。
湯気が立つほどしっとり感たっぷりの焼きたてパンは、摩擦が大き過ぎて、包丁を前後にスライドさせても、パンはいやいやするようによじれるばかり。
ところが、電動ナイフは切れる。
なぜうまく切れるか。
切れる秘密を探ろう。
観察すると、
- スイッチオンで、2枚の刃が高速で互い違いに前後スライドする。
- パンの上面の皮はやや固いので、ナイフ本体を前後に動かすとうまく切れ始める。
- あとはまっすぐにナイフを降ろすだけできれいに切れていく。
- 刃のスライド幅は1㎝程度、高速で小刻みな刃の動きなので、摩擦で発生するよじれは問題でなく、刃の前後の動きでパンが切れていく……
パンは柔らかいけれど、敢えてナイフを電動化するのは、こういうことだったんですね。
「2枚刃で、高速・逆向き・小刻み」に動く、というのがポイントのようです。
パンの端っこを薄く切ってみると‥

崩れずに‥

切り口もきれい。

パンの下の方の切れ込みは、釜の中で生地を捏ねた羽根があったところです。


電動パン切りナイフの秘密を解明してスッキリしました。
ブラックアンドデッカー 電動ブレッド&マルチナイフEK700、切れ味いいな。
大変満足したのですが… 実はその切れ味の評価を貶める大そうな弱点があったのです。
大そうな弱点?、星の数は‥
ホームベーカリーの助っ人、
“BLACK&DECKER 電動ブレッド&マルチナイフ EK700 “の大そうな弱点とは…
アマゾンのレビューには、高評価も多いですが、「1回使ってやめた」とか「手が疲れて痛くなった」など、★一つの評価が結構ありました。
使ってみてわかりました。
何気なくバランスのいい位置で手に持つと、こんな感じです。

これがスイッチ。

人差し指で小さなロック解除ボタンを押しながら中指でスイッチを引くと動きます。
写真のようにバランスのいい位置を握ると、スイッチに指が届かない。
操作性がすこぶる悪いのです。

電動ということで重量があるので、重心あたりが持ちやすい位置ですが、スイッチはかなり前の方にあって、指が届かない。
スイッチを操作するために持ち替えたら、この位置です。

この位置だとやたら後側が重く、手首に負担がかかってなんとも使いづらいのです。
前側が重いのなら、パンを切るときに重さが利用できて楽ですが、これだと逆のモーメントが働くので、パンを切り下ろすとき手首に余計な力を込めないといけません。
パン切りガイドを使う時は、1枚切るたびにナイフを置いたり持ったりを繰り返すので、やりにくい操作を何度も繰り返すことになります。
ロック解除ボタンも、小さすぎて押しづらいし…
スイッチとの位置関係も合わせて、操作性は致命的によくないです。
このあたり、ほんとに電動工具メーカーなの?思わず首をかしげてしまいますね。
逆に「さすが電動工具メーカー!」なのは動作音。まさに電動ドリルの音。
おっと、これは褒められないか…
DIYする私にとっては「こんなもんだろう」ですが、キッチン用品としては、改良の余地ありでしょうね。
ちょっと残念な弱点はありますが、コツさえ掴めばホカホカ焼き立てパンがきれいにスライスできるので、もう手放せませんね。
誰でもパン切り名人にしてくれる、頼もしい助っ人に違いないです。
道具のレビューとして、私の評価は、★★★★☆ かな。
メーカーさんにはダメ部分の改良をお願いします。