電気のDIYするなら 第二種電気工事士になろう②【受験対策】

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前の記事では、第二種電気工事士になるために必要な費用や試験の難易度を紹介しました。
今回は自身の体験を踏まえて、受験対策を紹介します。

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第二種電気工事士の学科試験対策

受験のチャンスは年2回

受験の機会は年2回あり、日程は毎年同時期に設定されています。
2024年度(令和6年度)の筆記方式の学科試験は、上期が5月26日(日)、 下期が10月27日(日)です。

以前は筆記方式の試験だけだったのですが、昨年度から、CBT方式(Computer Based Testing)の試験方法も選択できるようになりました。
CBT方式を選べば、3週間程度の期間中、都合の良い会場を選んで受験することができます。
パソコン上で出題に解答する方式ですが、出題形式は筆記方式と同じなので、学習の方法を変える必要はありません。

学科試験の勉強方法

私の場合、ネットなどで資格のことを調べ、参考書を購入したのは筆記試験の3か月前くらいです。
その参考書はこの2冊。

①「ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格」
②「ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格 DVD付」

第二種電気工事士試験の筆記試験と技能試験のおすすめ参考書

わかりやすい内容だったのでたかをくくり、1か月近くは「積ん読く」状態にしてしまいました。
私のように準備しただけで安心してしまうタイプの方、要注意です。

試験日まであと2か月ちょっとの3月の下旬。
受験申し込みの期限も迫ってちょっと焦りを感じ、そこからほぼ毎日、参考書で1時間~1時間半程の勉強をしました。

学科試験用の「すいーっと合格」には、付録で「丸暗記ノート」という薄い冊子がついています。

丸暗記ノートには、本で勉強した内容の要点がまとめられていて、手軽に復習できるようになっています
ちょっとした空き時間に復習するのにとても役立ちました。

また、テキストの後半部分には問題集が用意されていて、勉強した単元ごとに理解したかどうか確認することができます。
解説付きなので、間違ったところはその段階で理解できるので助かりました。

他の参考書のことはわからないのですが、受験してみて、学科試験対策の参考書はこの1冊があれば十分だと思っています。

もちろん受験までにはネットも活用しました。過去の試験問題をクイズ形式で出題し、解答を採点してくれる大変ありがたいサイトがあります。
「過去問クイズ」
https://kakomon-quiz.com/2denki/

試験日の2週間前頃から、このサイトで繰り返し過去問を解きました。合格には50問中30問を正解する必要がありますが、どの過去問も45問以上の正解がとれていたので、自信がつきました。

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第二種電気工事士の技能試験対策

必要な材料と工具

学科試験の勉強が進むうちに、参考書に載っている電材や工具の現物が欲しくなります。
学科試験の勉強を始めてひと月半ほど経った頃、電気工事の定番工具と技能試験練習用の材料セットを購入しました。

定番の工具
ホーザン DK-18-2018 電気工事士技能試験セット
一般的なドライバー、ペンチ、ウォーターポンププライヤーなどの他、専門の工具としてケーブルの被覆を剥くVVFストリッパーや圧着工具、電工ナイフ、電線外しの小物がセットされています。

ホーザン DK-18-2018 電気工事士技能試験セットの内容 

実技練習に必要な電材
私が使用したのは、全13問の技能試験の練習に必要な器具やケーブルが揃った「第二種電気工事士技能試験練習用材料 「器具・電線」セット」 。
ジェイメディアネットの「準備万端シリーズ」を購入しました。

私が受験した頃、練習用電材を入手するには購入するしかなくて、全13問を2回分練習するのに23,000円程かかりました。

  
現在は同じ会社が電材のレンタルを始めていて、約6割程度の費用で同じ練習ができます。
内容は、電材、参考書、DVDその他で、至れり尽くせりな感じです。
練習で出た電線などの廃材や、今後にあまり使い道のない電気部品を返却できるので、無駄がありません。
発送料や返送料が無料なのもありがたいですね。
 

練習するのは予め公表される候補問題

実際に電材や工具の実物を手にすると、ぐっとモチベーションが上がりますね。
そのまま技能試験対策の方に関心が移りそうになりますが、とりあえずは筆記試験に合格するのが先なので、筆記試験の勉強に集中するよう心がけました。

学科試験の1週間ほど前までには、「過去問クイズ」のサイトで9割以上正答できるようになり、学科試験対策の復習と並行して技能試験の練習も始めました。

学科試験後、1か月半ほどで技能試験があります。
学科試験の翌日には正答が公表されて答え合わせができるので、手応えがあれば技能試験対策のやる気が湧いてきますよね。

技能試験は、予め公表されている13問の候補問題から1問のみ出題されます。
問題はわかっているのですから、どれが出題されても大丈夫なよう、もれなく練習するだけです。
その上で、時間の限られた一発勝負の本番で焦らないためには、練習を重ねて自信を深めておくことですね。

技能試験対策は実際に作業をしますから、DIY好きなら学科試験対策より楽しくやれるでしょう。

参考書の「ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格~入門講習DVD付」には、公表問題が写真とイラストで解説してあります。

まずは候補問題の解説を読み、材料セットで実際に完成させる練習をします。
文章でわかりにくいところは、付属のDVDにケーブルの加工や器具とケーブルの接続など初歩的な作業手順が解説されているので、見よう見まねで練習していきます。

初歩的な作業ができるようになったら、候補問題13問の回路をそれぞれ40分間で完成させられるようになるまで練習します。

ただし、いきなり配線を接続するのはまだ無理です。

出題される配線図は「単線図」ですから、実際のケーブル同士の接続を示す「複線図」に書き換える練習をしないといけません。
実物の2芯あるいは3芯のケーブルの極性を間違えないよう正確に接続するためには、複線図を理解することは必須です。

例えば、下図の配線は13問のうちのひとつ、
住宅の階段の照明によく使われていて、1個の照明器具を2か所のスイッチでオン・オフできる3路スイッチの回路です。

第二種電気工事士の技能試験の出題例(3路スイッチの回路)点線図と複線図
3路スイッチ回路(左が出題される単線図/右は実際のケーブルの接続を示す複線図)

13種類の候補問題の複線図を書き慣れてくると短時間でスラスラ書けるようになります。

短期間に自信をつける練習方法

練習を始めてから、短い期間で技能を習得するには、実際の作業を見るのが参考になるでしょう。
YouTubeには候補問題の解説動画がアップされています。
工具メーカーのホーザンや個人の方がいくつか動画を提供していますが、私が専ら利用させていただいたのは「電気工事士奪取プロジェクト」という動画です。
「電気工事士奪取プロジェクト」
https://www.youtube.com/channel/UC6iIvEdipcHyYfd8-jJchPg

練習の際は、試験の本番を意識して40分の時間を計りながらやるのが良いと思います。
慣れないうちは50分近くかかっていましたが、こういう作業は「習うより慣れろ」ですね。
工具を使い慣れてくると素早く作業ができるようになり、全13問を終わるころには40分以内で完成させられるようになりました。

3路スイッチの回路の実物解答例
3路スイッチ回路の実物

技能試験の2週間程前には全13問の練習をひととおり終えたので、もっと短時間で完成できるようにと、2回目の練習材料を購入しました。
スイッチやコンセントなど器具類は何度も使えるので、今回は電線だけのセットです。

準備万端 平成30年度 第二種電気工事士技能試験練習用材料 「全13問分の電線セット」

 第二種電気工事士技能試験練習用材料(電線セット)

技能試験まであと2週間足らずになり、このセットで全13問の練習をもう1回繰り返しました。

この2回目の練習では、難度が高い問題でも30分強ほどで完成し、途中からは、複線図を書かなくても、頭の中で複線図を描いて完成させることができるようになりました。

紙の上に複線図は書くのに数分かかります。
試験中に思わぬ作業ミスに気がついたとき、時間が迫った中で修正する「数分」は貴重です。
頭の中で複線図が描けるようになっていれば、本番ではあえて複線図を書かなくとも作業できると考え、試験日の2、3日前には、各問題を見ながら頭の中で作業手順のシミュレーションを繰り返しました。

こうして、どの問題が出てもすいすい作業ができる自信が持てたところで、いよいよ技能試験の日を迎えました。

③【試験の日】 につづく