車のウィンドウガラスを下ろせば、心地よい風が通り抜けていく季節‥
快適な車中泊が楽しめそうですが、就寝中に締め切ると、クルマの中は結構暑くなります。
窓を開けて風を通せればいいのですが、虫の侵入や防犯のためほとんど締め切ることになりますね。
換気扇があったら快適かも…
車中泊を楽しもうと、N-VAN用の換気扇を自作しました。
軽VANの換気扇に大事なこと
小さなN-VAN。
DIYするときは「省エネ・省スペース、シンプルで効果的」が大事です。
車載の換気扇も、その考え方で作れるといいですね。
まず、取り付け場所はどこにしよう‥
N-VANのスライドドアのウィンドウはポップアップ式で、数センチの隙間しか開きません。
運転席か助手席の窓に、必要に応じて着脱できる方法を考えました。
幸いなことに、前席ドアのウインドウガラスを囲むゴムシールに、パネルをはめられそうな溝があります。
ここにファンを取り付けたパネルをはめ込めればいいですね。
さて‥
いきなりですが、これが完成した換気扇パネル。
使った材料は、
ポリカのプラダン
縁取り用ゴムテープ
防虫ネット
12cm角2連ファン。
12cm角の2連のファンは5VのUSB電源で動作し、コードの中間には強弱3段階切り替えスイッチが付いています。
換気扇として使う場合は、風量や音が気になるところ。
製品の説明には、「強」の場合、1400回転で風量が43cfm(=1.22㎥/分)とあります。
軽VANの居室空間を4~5㎥とすると、5分たらずで同量の空気を排出することになりますね。
実際には外から流入した空気も混ざりながら換気されるので、車内の空気全部が一度に入れ替わるわけではありませんが‥
まあ、十分そうな気がします。
稼働音は「強」で28dbとのこと。
数値どおりなら、かなり静かなはずです。
電源は手元にあった空調服用バッテリーを流用。
3.7V 30000mAh、111Whの容量ですから、5V/0.5A程度の消費電流なら、一昼夜回してもまだまだ余裕です。
フロントウィンドウ用換気扇パネルの製作
プラダンのカット
プラダンは丈夫なポリカーボネート製。
建築養生に使うPP製より加工しにくいですが、ファンを取り付けるので強度の方をとりました。
運転席の窓枠の型取りは、新聞紙で。
意外にうまく形になじんでくれます。
採った型を切り抜いてプラダンに貼り、サインペンで形を描きます。
カッターナイフでその線に沿って切り抜けば、パネルの原型が完成。
ポリカのプラダンはある程度の柔軟さはありますが、窓枠に着脱するには堅過ぎて無理があります。
なので、プラダンの周囲を柔軟なゴムテープで縁取ることにしました。
その場合、ゴムテープを貼った状態で「いい塩梅」に窓枠に収まるよう、プラダンを少し小さくしておく必要があります。
ここはゴムテープの幅を勘案しつつ、現物合わせで修正しました。
縁取りゴムの貼り付け
プラダンを縁取りをするゴムは、3mm厚15mm幅で柔らかいスポンジタイプにしました。
貼る際は、プラダンの縁と窓枠のゴムシールの間隔を考慮しながら、張り代を調整します。
ここはなかなか難しいところですね。
一度貼ってはみたものの、きつ過ぎて張り直しました。
プラダン下部の辺はゴム不要で、そのままガラスとドアトリムの隙間に5mmほどの深さに差し込めます。
ファンの取り付け
プラダンにファンを固定するため、汎用の部材を加工しようとも考えたのですが、手っ取り早く、3Dプリンターでパーツを自作しました。
ツメの付いたケースと溝の入った板です。
ケースのツメをプラダン側の溝にスライドしてはめる構造で、ケースを両面対称にして裏返しに取り付けることも可能にしました。
基本的に排気ですが、裏返せば吸気もできるというわけです。
さて、取り付けるときは‥
切り欠きにツメを合わせて‥
左にスライドして完了。
プラダンに開けた通風口には、網戸のネットを製本テープで貼り付けています。
こうして一応完成したのですが‥
縁取りゴムとネットの貼り付け方法について、テープの粘着剤はあまりあてにならないことがわかりました。
時間が経つと剥がれてくるので、長期間使用するには、セメダインスーパーXワイドなどで接着しておくのがよいと思います。
換気扇は車中泊に効果的
換気扇パネルは、ウィンドウの内側に取り付けます。
スポンジゴムの縁取りはウィンドゥシールと質感が同じで、いい感じになりました。
バッテリーはドアポケットの中です。
前面のネットで蚊などの虫も防げそう‥
外側に出っ張りがなく、ウィンドウガラスとは干渉しないので、雨が降ればガラスを上げて閉じることができます。
早速、車中泊に使ってみました。
7月下旬、場所は山間部のオートキャンプ場です。
夜になって気温は心地よいくらいになりましたが、寝るために窓を閉め切った車内は、かなり蒸し暑く感じます。
(アルコールが体内で燃えてるせいかもしれませんが‥)
換気扇を「吸気」で使うと外気をダイレクトに感じ、「排気」にすると、どこかから涼しい空気が入ってきているな‥という感じになります。
風量は、最初は「強」でしたが、夜半からは「中」で十分でした。
騒音については、モーター音は聞こえずサーという小さな風の音だけで、眠りを妨げることはありませんでした。
夏場の30℃以上になる日中は、換気扇などほとんど役立たないと思いますが、夜間の車中泊には十分効果的だと感じました。