DIYでN-VANに外部電源引き込みコンセント装着

Title image of a blog introducing a homemade external power outlet for the N-VAN 自作のN-VAN用外部電源引き込みコンセントを紹介するブログのタイトル画像 クルマのメンテはDIYで

12年乗ったワゴンRくん(MH23S)からホンダ N-VANに買い替えました。
乗用車から軽VANに変えたのは、手軽に車中泊キャンプができそうだから。

30年くらい前は、よく家族でキャンプに出掛けていたのですが、その後はすっかりご無沙汰になりました。
自由な時間も増えた今、夫婦で気ままにオートキャンプするのもいいね‥
というわけです。

N-VANの車内空間は自由度が大きくて、DIY好きの心をくすぐりますね。
使い勝手のよさそうな純正アクセサリーがたくさん用意されていますが、なかなか高価。
新車時に手が出なくてあきらめたものは、DIYでなんとかするつもりです。

そのひとつが、外部電源コンセント
こんな感じに手作りできました‥

自作のN-VAN外部電源入力コンセント紹介画像
(外観、室内コンセント、ケーブル接続ユニット、10m電源ケーブル)
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純正「外部電源入力キット」は便利そう‥

外部電源コンセントがあれば、電源付きキャンプサイトなら、車内で電気製品が使えて便利ですね。

N-VANには純正の「外部電源入力キット」が用意されています。
純正ゆえに機能的に安心安全、見栄えもいいです。
ただ、工賃含めると5万円ほどの価格‥

ホンダ純正
N-VAN用外部電源入力キット
HONDA純正 外部電源入力キット

機能的には、クルマの外部にある電源を車内に引き込むだけ。
それ自体は電源でもないのに、コスパとしてどうなの?という感じです…

同じくらいの金額なら400~500Whのポータブル電源が購入できます。
容量の制約はありますが、車内に置けていつでも使える電源のメリットは大きいです。
とりあえずポータブル電源が先、という訳でボツにしたのです。

とはいえ‥
容量を気にせず使える外部電源は、あるに越したことはありませんしね。

なるべく費用をかけないで、DIYすることにしました。…

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手作り外部電源コンセント

外部電源コンセントのイメージ

手作りの限界を踏まえつつ、使いやすい形を考えると‥

・きれいに仕上げる自信がないので、バンパーには穴を開けない。
・外部コネクタは車体下部に取り付け、できれば着脱式にしたい。
・車内コンセントは2口で、純正品と同じ場所に取り付ける。

ということで、材料をそろえました。

必要なパーツ

メインのパーツは、防水コネクタ。(七星科学研究所)
接続はワンタッチでできます。

防水コネクタ(七星科学研究所)

七星科学研究所の防水コネクタは、種類が多くて購入時に迷います。
今回のコネクタを選ぶ条件は、接点が2極、使用するケーブル太さが10ミリのもの。

シェルの材質が金属製のNJWシリーズと樹脂製のNRWシリーズがありますが、樹脂製のNRWシリーズにしました。
詳しくは、メーカーのこちらのページが参考になります。

ユニバーサルボックス(未来工業)。
防水コネクタの「オス」を取り付けるボックスです。

ユニバーサルボックス(未来工業)

屋外用延長ケーブル(山善)。純正キットは5mですが、余裕の10mにしました。

屋外用延長ケーブル10m(山善)

一般住宅用のダブルコンセント(Panasonic)
内装に合うようブラックにしました。

Panasonic 埋込扉付ダブルコンセント

その他の小物パーツも含めた一覧は、下の表のとおりです。
購入した時点の価格で、およそ6,000円ほどでした。

自作の外部電源入力コンセントに必要なパーツ類と価格の表

材料の加工と取り付け

コネクタは 謎のフックに

コネクタの取り付け場所を探して車体の下をのぞき込むと、左のバンパー下に、フックのようなものがありました。

N-VAN後部の車体下側
電源ケーブルを接続するコネクタの取り付け場所

N-VANの取説には「けん引には使用できない」と書いてあります。
用途不明な「謎のフック」。

用途が謎とはいえ、溶接された鉄板にボルトが通せる穴が2つあるのはラッキー。

ここにコネクタのボックスを取り付けることにしました。

ケーブルの加工

長いケーブルのソケット側を1mほどカットし、車体の配線用に流用します。

電源ケーブルの加工作業①
不要なソケットをカット

不要なソケットは切り取り、防水コネクタ(オス)に付け替えます。
接続方法はハンダ付けです。

電源ケーブルの加工作業②
ケーブルに防水コネクタ(オス)を接続

残りのケーブルの方には防水コネクタ(メス)を接続します。

電源ケーブルの加工作業③
ケーブルに防水コネクタ(メス)を接続

9mのコネクタ付きケーブルが完成。

電源ケーブルの加工作業④
ケーブルに防水コネクタ(オス)を接続完成した防水コネクタ付きケーブル

コネクタボックス

着脱できるコネクタボックスを作ります。

ボックスにはノック穴があり、マイナスドライバーでガツンと叩くと簡単に開けられるようになっています。

コネクタボックスの製作①
穴開け

ノック穴にコネクタを嵌め込んで位置を決め、ネジの穴を開けます。

コネクタボックスの製作②
コネクタ取り付け用ネジ穴の加工
コネクタボックスの製作③
コネクタ取り付け部

ボックス側面にケーブルを通す穴を開けます。

コネクタボックスの製作④
ケーブルを通す穴の加工

パーツを組み付けてフタをする前の状態。

コネクタボックスの製作⑤
防水対策

着脱時、ケーブル穴に曲げの影響があるかもしれないので、画像右下にあるような補強パーツを作って取り付け、コーキング剤で浸水対策しました。

完成して車体に取り付ける前のコネクタボックス。
車体に通すケーブルはコルゲートチューブを巻いて保護。
中間の丸いのは、ボディの穴用の25mmゴムブッシュ。

完成したコネクタボックス

ボックス格納ホルダー

コネクタボックスを着脱式にするため、汎用のステーでホルダーを作ることも考えましたが、材料探しや加工の手間を嫌って、3Dプリントすることにしました。
プリントの都合で、ボックスの格納部と車体取り付け部に、2分割しています。

ボックス格納ホルダーの3Dモデリング画像
3Dのモデリング

プリントした実物がこちら。

3Dプリントしたボックス格納ホルダーのパーツ

6mmボルトを内蔵、謎のフックへの取り付けを容易にしました。

ボックス格納ホルダーの組み立て

わかりにくい形ですが、こんな感じになります。

ボックス格納ホルダーの4方向からの外観

着脱式ですから、コネクタボックスが走行中の振動で脱落したら大変。
着脱の仕組みを工夫しました。

下の画像はボックスの着脱方法です。
黄色矢印のように、ボックスをホルダーの横から格納すると、ボックス後面の磁石が奥の鉄板に引き寄せられてくっつきます。
その状態のとき、ボックスはどの方向にも動けない構造になっています。

コネクタボックスを確実に格納する構造の説明

取り外す場合は、白い矢印のように、磁石から離して横にスライドすれば外れます。

車体への取り付け

車内コンセント取り付け

車内コンセントは左リアサイドライニングの定位置に取り付けます。

N-VAN室内へのコンセント取付作業①
左リアサイドライニングのコンセント取付場所

サイドライニングを外すには、周辺のパネルも外さないといけませんね。

N-VAN室内へのコンセント取付作業②
取り外す前の各パネルの状態

リアパネルライニングはいくつかのクリップで留まっているので、隙間に両手を引っかけ、バリッと剥がします。

N-VAN室内へのコンセント取付作業③
リアパネルライニングの取り外し

カーゴフロアマットは2カ所あるクリップを外します。

N-VAN室内へのコンセント取付作業④カーゴフロアマットの取り外し①
N-VAN室内へのコンセント取付作業④カーゴフロアマットの取り外し②

左リアサイドライニングの丸印のところのクリップを外します。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑤
左リアサイドライニングのクリップ

ライニングの縁を覆っているウェザーストリップを外します。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑥
左リアサイドライニングのウェザーストリップ外し

スライトドアを開け、サイドライニングを押さえているステップガーニッシュの片側を剥がしておきます。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑦
ステップガーニッシュの取り外し

こちら側のウェザーストリップも外せば、サイドライニングを外す準備は完了。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑧
スライドドアウェザーストリップ外し

あとは、バリッと剥がせばいいのですが‥

剥がそうとすると、アクセサリーソケットの配線が繋がっているので、カプラーを外さないといけません(これはすでに外したところ)。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑧
アクセサリーソケットのカプラー

カプラーは、矢印のところを押さえれば抜けます。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑨
アクセサリーソケットカプラーの外し方

サイドライニングの裏側。

薄く見える線は、純正キット用のケガキ線です。
ここにコンセント取付穴を開けます。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑨
左サイドライニングの裏側

ドリルでたくさんの穴を開け、ニッパーで切り取りました。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑩
左サイドライニングにコンセント取付穴の加工①

少し傾いたかも‥

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑩
左サイドライニングにコンセント取付穴の加②

コンセントは、ベースの金具が長すぎたので、少しカットしています。
カバーは、3Dプリントで自作したもの。
屋内配線用VVFケーブルも必要。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑪
コンセントとケーブル、カバー

コンセントをネジ止めして‥

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑫
サイドライニングに取り付けたコンセント①

上にカバーを貼り付けます。
やっぱりちょっと傾いて‥

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑫
サイドライニングに取り付けたコンセント②

あとの作業で、コンセント裏の穴にVVFケーブルを挿し込んで接続します。

N-VAN室内へのコンセント取付作業⑫
サイドライニングに取り付けたコンセント裏側

車内コンセントは、あまり考えずに住宅用のコンセントを購入してしまいました。
取り付けスペースに対し、バーツのサイズが大きいので、加工や自作に手間がかかりました。

ベッドなど家具用の小型コンセントにすれば、もっと簡単だったかもしれません。

ボックス格納ホルダー取り付け

コネクタボックス格納ホルダーを謎のフックにボルトオン。

コネクタホルダーの取付状態とケーブルを通す車体の穴

矢印のところのグロメットを外し、この穴からボックスのケーブルを車内側に引き込みます。

コネクタボックスの取付作業①
取り付せる前の外部電源入力コネクタボックス

ケーブルの先に配線通しをビニールテープで巻き付け、穴に入れます。

サイドライニングの裏側。
配線通しの先っぽで何度も突いて、何とか通りました。

コネクタボックスの取付作業②
サイドライニングの裏側の通線作業

引き込んだケーブルとVVFケーブルをワンタッチコネクタで接続。
延長ケーブルはより線、VVFケーブルは単線ですが、ワンタッチコネクタはどちらにも対応しているので便利です。

コネクタボックスの取付作業③
VVFケーブルとの結線

サイドライニングの裏のコンセントにVVFケーブルを挿して、接続完了。
アクセサリーソケットのカプラーも忘れずに接続。

コネクタボックスの取付作業④
室内コンセントに接続

コネクタボックスを格納したところ。
車体の穴は、予めケーブル途中にセットしておいたグロメットで塞ぎました。

車体下のホルダーに格納したコネクタボックス

サイドライニングや周辺のパネルを元どおりに戻して‥

完成

使用するときはボックスを取り外し‥

自作のN-VAN外部電源入力コンセントの使用方法①
コネクタボックスをホルダーから取り外す

ケーブルを繋いで‥

自作のN-VAN外部電源入力コンセントの使用方法②
コネクタボックスにケーブル側のコネクタを接続

ホルダーに格納して準備完了

自作のN-VAN外部電源入力コンセントの使用方法③
コネクタボックスをホルダーの元の位置に格納する
(このホルダーは、肉抜き軽量化した改良バージョンです。)

ただいま使用中

自作のN-VAN外部電源入力コンセントの使用方法④
外部電源使用中のN-VAN後部外観