先日、門灯のスイッチをパナソニック「あけたらタイマ」に取り替えました。
その時に、ちょっと困ったのは機種選び。
3種類あるのです。
第二種電気工事士の資格があるので、配線の知識はあります。
施工説明書を調べてみると、まずは簡単に取り替えられるように、あるいは多様な器具にも対応できるように3機種が用意されていることがわかりました。
せっかくなので、機種ごとの特徴や使用方法、配線図などをまとめてみました。
後付けできる「あけたらタイマ」
使ってみたい便利な機能
パナソニック「あけたらタイマ」は、その名のとおり、スイッチハンドルを開けると中はタイマー。
閉じれば、見た目もさりげなく、便利な機能を備えた優れものです。
その便利な機能とは‥
①24時間タイマー
1日1回、「入」「切」ができます。
②留守番タイマー
数日間留守をするときなど、設定時間を±30分の範囲内でランダムにずらし、在宅のように見せかける機能です。
玄関や居間の照明に使えば、防犯効果が高そうですね。
③遅れ消灯
スイッチを「切」にしても一定時間遅延するので、出かけるときに便利です。
これらの3つの機能があれば、様々なシーンで活用できそう‥
家の壁スイッチと取り替えれば、ずいぶん便利になりますね。
配線方法により機種を選ぶ
あけたらタイマは3種類
あけたらタイマは3機種あります。
2線式の WTC5331WK、WTC5332WKと、
3線(4線)式の WTC5333WKです。
この3機種、何が違うのでしょう。
選ぶときに役立つよう、特徴をまとめてみました。
施工説明書を見てわかった大きな違いは、
2線式は、既設の配線が利用可能で設置は容易であるが、使用できない器具がある。
3線式は、接続する器具の制約はないが、取り付けには配線工事が必要。
ということです。
では、3機種の配線方法などの違いを見てみましょう。
2線式 WTC5331WK
[配線図]
この配線図の接続は、一般的な片切スイッチと同じですね。
なので、取り付けは簡単。
既設の配線はそのままに、スイッチを取り替えるだけです。
2線式の特徴は、タイマー本体用の独立した電源を持たず、接続した照明器具を介して常時通電し、動作する方式です。
「えー常時通電? 照明は消えてるのに?」と不思議な気がしますが、
タイマー自体の消費電力は「1W以下」と小さく、スイッチOFF時に電気が流れていても、照明が点灯することはありません。
いたってシンプルな接続ですむ反面、接続する器具は、タイマー本体が動作できるだけの電気を通すものでないと使用できません。
例えばLED照明器具の場合、器具の抵抗が大きく電気が流れにくいため、2線式タイマが使えないものがあります。
パナソニックのQ&Aには、「他社製のLED照明器具・LED電球との接続可否については、各照明器具メーカー、電球メーカーにご確認ください。」とあります。
ほとんどの場合は大丈夫なんでしょうけど‥
ほかに使用できない器具として、換気扇、センサ付照明器具や調光式照明器具のほかリモコン機能付照明器具があがっています。
わが家では、この機種(WTC5331WK)を門灯のスイッチに使用しました。
施工の様子は、こちらの記事です。
2線式 WTC5332WK
[配線図]
こちらも2線式ですが、WTC5331WKと違うのは、既設の3路(4路)配線を利用して3カ所までスイッチを配置することができることです。
3路配線対応なので接続端子は3つありますが、上の配線図のように「0」と「1」に接続すると、上記のWTC5331WKと全く同じ使い方になります。
照明のスイッチを2か所または3カ所に配置した3路(4路)配線の場合は、以下の配線図のように接続します。
この場合、スイッチも専用子機スイッチに取り替えることになります。
[3路配線の配線図]
[4路配線の配線図]
以上をまとめると、
器具が適合するなら、既設の配線を利用できる2線式を選ぶ。
2路(片切)なら WTC5331WK、
3路・4路なら WTC5332WK、
ということですね。
3線式(4線式) WTC5333WK
[配線図]
3線式(4線)式というのは、接続するケーブル単線の本数を示しています。
ネットでは、よく3路(4路)配線と誤解した書き込みが見られますが、まったく違います。
3線式(4線)式の配線図では、電源側が2本というのは同じで、照明器具側の配線が1本なのが3線式、2本なのが4線式になっています。
3線(4線)式タイマが2線式と違うのは、タイマー自体の電源を、照明器具を介さずに独立して供給しているところです。
なので、2線式のような器具の制約はありません。
ということは、換気扇、センサ付照明器具や調光式照明器具のほかリモコン機能付照明器具も使用できるということですね。
だったら3線式の方がいいんじゃないの? と思いきや‥
取り付けに関して、かなりハードルが高くなってしまうのです。
その理由は、
一般的な住宅の壁スイッチの配線は、非接地線と器具側への線なので、3線式タイマに接続する接地・非接地ペアの電源がありません。
なので、ケーブルの増設なり、屋根裏や間仕切壁の配線を組み換えるなりの配線工事が必要になるのです。
そんなわけで、どうしても調光式照明器具を使いたい場合とか、配線工事が容易な新築時やリフォーム時などが3線式タイマの出番ではないかと思います。
なお、3線式タイマも専用子機を使用することで、3路・4路配線と同様、複数個所にスイッチを設けることができます。
[子機使用の配線図]
(図は4線式ですが、子機の配線方法は3線式も同じです。)
わが家の門灯スイッチに使うために、いろいろ調べたことをまとめてみました。
見た目もさりげなく、自動で照明のオン・オフができる優れものの「あけたらタイマ」。
2線式でなるべく簡単に、そして3線式で多様な器具にも対応できるよう機種をそろえてあるわけですね。
この記事では、「あけたらタイマ」の配線方法や選び方をまとめてみました。
実際の住宅の天井や壁裏の配線は、配線図のように単純ではありません。
天井裏などで、複数ヵ所の器具のケーブルを効率よくまとめて接続してあり、スイッチ裏を見ただけでは配線ルートがわかりにくいです。
あけたらタイマへの取り替えは、電気工事士の資格を持った方にお願いしましょう。