5年ほど前からAnycubic MEGA-Sを使っているのですが、ノズルの移動速度がかつての標準だった50mm/sですから、とにかくプリントに時間がかかります。
久々に最新モデルの動向をチェックしてみると、今や500mm/sは当たり前。
数ある製品のうち、エンクロージャー付きで家電のようなデザインのCreality K1Cが気になりました。
なんと600mm/sの高速プリント…
数字の上では、MEGA-Sの12倍の速さ⁉
価格はMEGA-Sの倍くらいしますが、プリント速度とオペレーションの自動化は、比べようがないほどです。
ココロ弾んで買ってしまったものの‥
マニュアルをみつけられなくて、とまどいつつ初プリントするまでを記事にまとめてみました。
超速3Dプリンター Creality K1Cが届いたよ
K1Cの素敵なところ
届いたばかりのCreality K1C。
ココロが動いた特長は、
- エンクロージャー付きのスマートな外観
- 超高速造形600mm/s
- 堅牢な金属製のダイレクトエクストルーダー
- オートレベリング
- 自動ノズルクリーニング
- 熱クリープが少なく造形品質が良い冷却システム
- ASAやナイロン、カーボン強化など多種類のフィラメントに対応
- 造形中の様子を監視できるAIカメラ
などなど…
いろいろ自動化されて、扱いやすさは家電製品に近づいてきましたね。
セットアップ
さて、開梱すると一番上にマニュアルを発見。
ここからは、マニュアルを見ながら簡単なセットアップをします。
ぎっしり詰まっている梱包材を取り除き、箱から出したところ。
エンクロージャー内部の緩衝材を取り除きました。
扉のツマミはネジで取り付けるようになっています。
操作ディスプレイ、USBメモリ、工具などの付属品。
USBメモリには、マニュアルのPDFやテストプリント用のgcodeファイルが収録されています。
最初はマニュアルのありかがわからず、初プリントの時に戸惑いました。
本体左側面の下部。奥まった所に115V← →230Vの電圧切り替えスイッチがあるので、115Vにセットします。
タッチパネルにフラットケーブルを接続し、前面の溝にひっかけて固定します。
背面の排気ファンに活性炭フィルターを取り付けます。
フィラメント用の心棒も。
カバー内側の左側面に薄いゴムテープを貼り付けます。
ここは、プリントヘッドが大きく動くときに、コードとチューブを通したチェーンが結構激しく当たるところです。
緩衝用ということですね。
電源を入れて言語を選択したら、次の画面で3本のネジを外すよう指示があります。
緑の丸で囲んだところのネジを、六角レンチで外します。
最後にセルフチェックをします。
かなりの音や振動があって、ちょっとビックリ。
セットアップ完了。
とても簡単でした ♪。
早くテストプリントしてみたいよー
その気満々なのですが、なぜかマニュアルの冊子はここまでの説明で終わりました。
どうやってプリントするのだろーか?
わくわくの初プリント
タッチパネルの操作
さて、改めて電源投入。
あまりよくわからないまま、タッチパネルに触ってみます。
これはホーム画面。
ノズル、ベッド、箱の中の温度は9℃。
寒いところで作業してました…
WiFiに接続しておけば、PCからプリントできたりカメラによる監視ができるようなので、接続の設定をします。
設定マークを押してネットワークのタブを選び、ルーターの暗号キーを入力すれば接続完了。
これは接続後の画面です。
カメラの設定もしておきます。
おっと、その前にカメラレンズの保護シールを剝がすのを忘れないように。
タイムラプスの記録を有効にしておけば、プリントの様子がアニメーションで記録されます。
AI機能で監視して、失敗時には停止するらしいのですが、実際に悲しい場面にならないとわかりません…
一番下のロボットのようなマークを押したら、こんな画面がありました。
オンラインの取説…
なんだ、こんなところにあったのか💡
スキャンしたサイトを開くと、説明が動画で見られます。
プリント開始
さて、いよいよ初プリント。
本体に収録されている3D Benchyをプリントしてみます。
まずは、付属のHyperPLAフィラメントをセットします。
フィラメントの先をニッパーで斜めにカットし、テフロンチューブに差し込みます。
チューブの中を押し込んでいくと、先がコツンと当たって止まりますが、まだ正しい位置には届いていません。
少し力を込めてそこからさらに押し込み、もう1~2センチ入ればOK。
レバーを矢印の方に倒し、フィラメントをエクストルーダーのギヤにロックします。
タッチパネルの2番目のマークからイン/アウト画面を出し、「インフィード」を押します。
ノズル温度が上昇し、フィラメントがニョロニョロ垂れたらフィード完了です。
フォルダのマークを押して、ローカルの中にある3DBenchyを選択します。
「キャリブレーション」にチェックが入っていると、プリントする前に自動でレベリングをしてくれます。
一連のキャリブレーションの途中で、ノズルクリーニングもしてくれます。
見ていると、矢印のギザギザのところで、フィラメントのカスをこすり取る感じです。
「印刷」を押してプリントスタート。
プリントする様子は、別の部屋からPC画面で見ることができます。
CrealityのサイトからダウンロードしてPCにインストールしていたスライサー Creality Printを起動。
「デバイス」タブを開き、WiFiに接続しているK1Cを探して登録します。
うまくいかなければ、K1CのIPアドレスを入力すれば登録可能。アドレスはタッチパネルの「ネットワーク」に表示されています。
デバイスの「詳細」を開くとこの画面になります。
カメラ映像でプリント状況が確認でき、温度やファン速度のコントロールなどができます。
また、記録されている過去のタイムラプス映像も、この画面で見ることができます。
あれこれ眺めているうちに、16分ほどでプリント終了。
以前のプリンターと比べると、とんでもなく速いです。
ビルドプレートは磁石で張り付いているので、取り外し可能。
薄くて曲げられるので、剥がしやすくなります。
速くとも、プリントの品質は良好。
プリントが終わってフィラメントを取り外すときは、イン/アウトの画面で「解きほぐす」を選択します…
「解きほぐす」???変な日本語…
フィラメントを外す場合も、一定量がノズルからニョロニョロ出てきます。
「完成」の表示になったら、エクストルーダーのロックレバーを矢印の方向に倒してロックを解除。
フィラメントをリールに巻き取れば終わりです。
まとめ
FDM方式の3Dプリントは、0.4mm巾のペンで何十枚、何百枚という塗り絵を重ねていくようなものなので、時間がかかるのは宿命です。
しかし、ここまで速くなるとは、ちょっと驚きですね。
プリントする様子を眺めていると、ブリントの速度は物理的にもはや限界…
これ以上速くなったら、まともにプリントできないんじゃない?
なんて感じてしまいます。
これからは、夜寝る前にプリント開始、朝起きて出来上がりを確認するというパターンは減りそう。
多種類のフィラメントが使えることと相まって、DIYのパーツづくりに活躍してくれそうです。