DIYで変身 ひもが切れたオルゴール

3Dプリンターを使ってみよう
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ジムノペディと虹の彼方に

知り合いの幼稚園の先生からヘルプがきました。
紐が切れてねじが巻けなくなったオルゴールを、また聴けるようにして欲しいとのこと。

園舎の玄関内壁に取り付けてあったひも引きオルゴールです。

3個あったのですが、園児の手が届くところにあった2つは、紐が切れて使用不能になりました。

園児にとっては力の加減が難しいですね。
大人なら壊れないよう手加減しますけど。

傷んだひも引きオルゴールは、壁のリフォームとともにお役御免となったのですが‥

ぜんまいを巻けばまだ音の出るのが2つ。

耳をすますと、 
 ♪ ジムノペディ ♬‥ と
 ♬ 虹の彼方に ♪‥
どちらも耳に残る曲ですね。

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100均のコレクションケース

先生は、「良く聞こえてオルゴールの動きも見えるといいんですけど…」と。

イメージは、透明ケースの中にオルゴールかな?

ダイソーに行って、「コレクションケース」という小箱を見つけました。
小物のディスプレイ用ですから、うってつけですね。
透明カバー越しに、オルゴールのメカニカルな動きが良く見えるでしょう。

音質的には木製の小箱がいいのでしょうが、こちらの方がイメージぴったり、二つ購入しました。

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足りないパーツは3Dプリンターで

単体のオルゴールは、耳を澄まさないと聞こえないくらい、音が小さいです。
ところが、コレクションケースの台の上に置くだけでも、共鳴してびっくりするほど音量が上がります。

ただ、せっかく台に共鳴しても、透明カバーで覆ってしまうと効果が半減。

ケースを机から少し浮かせれば、音が底面から広がって大きく聞こえるので、「足」をつけて底面に空間を設けることにします。

あと、ゼンマイを巻き上げるツマミも必要になりますね。

こんなとき、3Dプリンターはホントに便利。
あまりスキルがなくても、簡単なパーツならすぐに作れてしまいます。

逆に言うと、これがなかったら引き受けていませんでしたけど‥

まずは Fusion360でモデリング。

ツマミは八角形をベースに、つまみやすいよう側面を丸く切り取りました。
四角い穴は、ゼンマイの軸の寸法をノギスで測って正確に。

Fusion360のモデリング画面(オルゴールのツマミ)

コレクションケースの裏に貼り付ける足。
1本だけ形を作り、他の3本はパターンをコピーします。
足を繋ぐ四角い部分は、台座の裏側の外周部にあるリブを避けるため、少し複雑な形状になりました。

Fusion360のモデリング画面(コレクションケースの裏に貼る足)

3Dプリンターは、いつものANYCUBIC Mega S
フィラメントの素材は、丈夫なPETGです。

ツマミは軸穴の大きさも適度で、つまみやすいサイズに完成。

3Dプリントしたツマミ

足の方は、実は上のモデリングの画像もそうなんですが、改良版です。
1作目は、もっと長くて単純な直方体でしたが、ツマミを回す指が当たってNGでした。
改良版は、画像のごとく、指が当たらないよう、短め、かつ外に向かってテーパー状にしています。

3Dプリントしたケースの足

簡単そうに思えても、作ってみたら想定外の欠陥があったという‥
モノづくりのあるあるですね。

以上で必要な材料がそろいました。
さあ、楽しい組み立て。

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ケースを加工して組み立てよう

台の加工は、ねじ穴とゼンマイの軸の穴あけです。

表面を養生テープで保護しておいて‥
穴の位置を印した型紙を用意して、正確に。

オルゴールをねじで固定したらあとは簡単。

足は台座の裏面に接着剤で貼り付けます。

ツマミの穴は、軸のサイズにピッタリ。
モデリングの際、さじ加減で軸穴よりもプラス0.2mm大きくしたら、固すぎず緩すぎずに仕上がりました。

透明カバーを接着剤で固定して、完成。

動画は「虹の彼方に」の方。きれいな音で聞こえます。

曲名プレートは小さ過ぎてきれいにプリントできなかったなー

先生、できたよー

わぁ すごいー (^^♪

とても喜んでくれました。
園児たちは、ネジを巻いては不思議そうに、じぃーっとオルゴールの動きを見ているそうです。

箱入オルゴールに変身して、お馴染みの曲が新鮮に聞こえるといいんですけどね‥

  

3Dプリンターって、やってみると意外にハードル低いですよ。
奥が深くてきりがありませんが、初歩は初歩なりに、という感じで使えますので。
始めたきっかけはこんな感じでした ↓↓