N-VANは、低い床と高い天井のおかげで、タテの大空間があります。
そもそもヨコ幅の狭い軽バンですから、使える空間は余すことなく活用したいですね。
というわけで、今回のDIYは、天井空間を上手に活用すべく、ルーフインナーラックを自作しました。
工夫を凝らし、使い勝手も考慮したので、車中泊など車内で過ごすときにとても便利です。
N-VANの天井空間を上手に活用したい
カーゴネットを使ってみた感想
私のN-VANには、純正アクセサリーのルーフインナーサイドパイプを取り付けています。
今までは、このサイドパイプにカーゴネットを装着して天井空間を利用していました。
それなりに便利に使ってはいましたが、布製ゆえに、ベルトを目いっぱい強く巻きつけても、そのうち緩んで下がってきます。
まあ、この状態でモノを載せれば、ハンモックのように安定し、モノが落ちることはありませんが。
でも、ベッドキットの上でくつろぐときには頭に触れますし、バックドアを開けて景色を眺める際に視界を邪魔します。
また、運転中に、バックミラー上部に映り込むのを鬱陶しく感じていました。
考えてみると、この状態だとカーゴネットの上に大きな隙間が生じるので、天井空間を上手に活用できているとはいえませんね。
この状況を改善するため、布でないハードな材料でルーフインナーラックを作ることにしました。
ルーフインナーラック
純正ルーフインナーラック
N-VANには、アクセサリーとしてルーフインナーラックが用意されています。
純正ですから、ルーフインナーサイドパイプがあれば簡単に取り付けられます。
許容荷重は5㎏、落下防止用のネットが付いていて、価格は11,000円。
22,000円のルーフインナーサイドパイプとセットで取り付けると、33,000円です。
荷物がしっかり載せられそうですが、見た目の感じからするとちょっとお値段が‥
自作のラックは純正以上?
費用を抑えつつDIYを楽しむために、ラックを自作することにしました。
どうせ作るなら、カーゴネットにあった欠点を排除して、使い勝手のよいものにしたいものです。
希望の条件をまとめると‥
①高さは、サイドパイプの位置を下回らない。
②ベッドキット上で過ごす際、頭上のラックが邪魔にならない。
③毛布など、ある程度嵩のあるものを載せられる。(②とは相反します‥)
④車内で、ラックに載せたモノが容易に取れる。
ということで、考えた自作ルーフインナーラックは、
〇高さは2段階切り替え式
〇落下防止フェンスは可倒式
という仕様です。
完成すれば、純正のルーフインナーラックを超えられそう‥?
ルーフインナーラックを自作する
自作ラックのこだわりポイント
いきなりですが、これが完成したルーフインナーラック。
構想どおり、高さを2段に変えたり、フェンスを前に倒すことができます。
車体への取り付けは、四隅のブラケットを車体のサイドパイプに固定し、ラックをブラケットに架ければ完了です。
高さの変更は、ラックのフレームをブラケットの溝に沿って上下に移動し、架け替えます。
ラックは段の位置で安定し、少々のことでは動きませんが、固定してはいないので、走行中にブラケットから外れないよう、特に横方向の動きをフレームストッパーで拘束しています。
ラック本体を取り外すときは、このストッパーを緩め、横方向に動かして降ろします。
もう一つのこだわり、
可倒式フェンス部分のアップです。
下の動画のように、フェンスは簡単な操作で前に倒すことができます。
材料を揃える
自作ルーフインナーラックは、ホームセンターで手に入るG-Funと100均ワイヤーネット、3Dプリントパーツで作ります。
3Dプリンターは、市販されていないパーツを自作できるのでとても便利。
材料のフィラメントは安いですし、DIYに欠かせないツールとして活用しています。
材料のうち、ホームセンターで購入したのは、
G-FunフレームS 1900mm長(@547円)3本
マルチコネクタインナーS(@184円)6個
アングルコネクタインナーS(@404円)2個
合計で3,553円(税込)でした。
フレームのうち1本は、100cm長(@283円)でも足りたので、寸法をもう少し詰めておけば、若干は安くなったでしょう。
G-Funは、特殊な形状のアルミフレームとメタルのコネクタをネジで組み上げるため、分解するのも簡単です。
Nシリーズ(フレーム径28mm)とSシリーズ(同19mm)があって、今回使ったのは、Sの方です。
安全上、ルーフインナーラックには軽いものしか載せませんから、細身のSで十分だと思います。
フレームは必要な長さにカットします(99cmと102cm 各1本、37cm 3本)。
カットは自作のスライドレール式丸鋸ガイドを使いました。
アタッチメントでパイプにも対応させているので、楽々カットできます。
100均アイテムは、棚板に使うセリアのワイヤーラティス(44.5cm×37cm)2枚、220円。
下の画像は3Dプリントした小物パーツの一覧です。
使用するフィラメントの素材はPET-G、強度があって夏場の車内温度にも問題ありません。
高さを切り替える構造として、図の左上にある左側・右側用のブラケットには、2段の溝を作っています。
車体に取り付けたら、ラックを上下にスムーズに架け替えることができます。
可倒フェンスパーツは、水平に取り付けたG-Funフレームのフェンスを、簡単な操作で前方に倒すことができる構造にしています。
ラックを組み立てる
G-Funは、フレーム同士をネジのついたコネクタで繋ぎます。
このラックの場合、小物パーツをフレームにセットして仮組みした後、6角レンチで8個のコネクタのネジを締めれば完成、ちょっとあっけないくらいです。
これは棚板(ワイヤーラティス)をフレームにジョイントする棚受けパーツ。
組み上げる前にフレームに差し込んでおきます。
左右の可倒フェンスパーツもフレームにセットしておきます。
コネクタのネジを締めて完成。
車体に取り付ける
まずブラケットの一部をサイドパイプに固定します。
これは後部左側。
二分割になっているブラケットを合体したところ。
4つのブラケットは、ラックの前後のフレームとピタリ合う位置に固定します。
ブラケットの上段にラックを架けたところ。
下段に架けた状態を前から。
フェンスを前に倒したところ。
後部から見た状態。
上段に架けると、車内で過ごす際に頭上のクリアランスが十分あり、鬱陶しさを全く感じません。
まとめ
N-VANの天井の空間を有効に活用したくて、使い勝手の良いルーフインナーラックを自作しました。
初めてG-Funを使ってみたのですが、同類のイレクターとは、一長一短ありという感じ。
G-Funは、基本的にネジ止めで組立・分解が簡単、見た目もきれいなアルミ素材で、高級感もあり。
価格の方は、若干高めです。
どちらが優れているというより、何を作るかによって選択すればいいでしょう。
自作した小物パーツは、参考になる既製品もなく、イチから考えるのに結構手間がかかりました。
モデリングしたものを実際に3Dプリントしてみると、寸法が合わなかったり構造的に問題があったりと、何度か修正を加えてやっと満足できるものが完成‥。
出来上がったルーフインナーラックは見た目も良いし、走行中も全くガタつかなくて大満足です。
この達成感があると、途中の苦労もまた 楽しいDIYってことですね。
最後に、掛かった費用は、3Dプリントの材料代も含め トータル 4,500円程。
コスパもバッチリでした。