3Dプリンターの使用中、発生するニオイは嫌なものですね。
有害だそうで、気になっていました。
新しく買い替えたエンクロージャー付きプリンターなら、
有害ガスを まるごとお外に放出‼
なんてこともできるはず♪
というわけで、排気ダクトを自作して取り付けました‥
Creality K1Cの発生ガスを排出するには
造形時のニオイの元は、高温で融けた樹脂から生じる有害な揮発性有機化合物(VOC)です。
ABSやPLAなど、素材ごとに発生する成分や量に違いはあれど、いずれも体には良くありません。
今、影響を感じていなくても、長期にわたって体に取り込むのは避けたいですね。
これまで使用していたプリンターにはエンクロージャーがなく、有害ガスはそのまま部屋に拡散。
窓を開けて換気するしかありませんでした。
今まで使用していたAnycubic Mega-Sを、エンクロージャー付きの Creality K1Cに更新しました。
K1Cの背面にはケースファンがあり、内部で発生したニオイは、一応、活性炭フィルターを通して排気するようになっていますが…
ちょっと頼りない気がします。
このファン部分に、屋外に通じるダクトを取り付ければ、有害ガスをまるごと外に排出することができますね。
そこで、問題は屋外へ排気する方法です。
目を付けたのが、プリンターを置いている部屋の換気口。
中央のノブを前後に動かすとダンパーが開閉し、台風など、強風のときは閉じられるようになっています。
ここに排気ダクトをつなぐ方法を考えました。
排気ダクトの製作と取り付け
使用した材料と部品
これが排気ダクトのパーツ一式。
購入したのは、55mmダクトホースとエルボ2個。
それ以外のパーツは、3Dプリンターで作りました。
実はエルボも自作したかったのですが、このパイプ形状を、きれいにプリントする自信がありません。
それに、ホームセンターで見つけた雨どいエルボは、サイズがダクトホースにぴったり、2つで千円と、とてもお手軽だったのです。
プリンター側ダクトパーツ
下の画像は、プリンター側にダクトホースをつなぐために作ったアダプター。
2分割で作り、雨どいのエルボをはめ込んでいます。
プリンターの排気ファン部分にはめ込む四角いカパーは、活性炭フィルターのケースから寸法を取ったのですが、四隅の曲率を出すのがちょっと手間でした。
因みに、このエルボは、中央で360°回転できるようになっています。
エルボをはめ込む部分は、エルボの口径よりやや小さめにし、自己融着テープを巻くことで合わせるようにしました。
自己融着テープは、2~3倍に引き伸ばして巻き付けるのが本来の使用法なので、薄くも厚くも、微妙に調整できます。
完成した状態です。
これでプリンター側は完成、と思いきや…
実際に取り付けてみたら、不具合判明!
プリント時、フィラメントリールとダクトのアダプターが干渉してしまいました。
画像のように、背面から突き出す部分を長くすることで回避。
こんな風にすぐに修正できるのが、3Dプリントのいいところですね ♪
換気口側ダクトパーツ
換気口の方は、元のカバーを取り外し、ダクト用のカバーを取り付けます。
換気口の幅が30cm超あるので、220mm以内というプリントサイズの制約から、パーツは2分割せざるを得ません。
画像は、カバーをネジ止めするためのフレームを取り付けたところ。
ダクト用のカバーを取り付けたところ。
真ん中の出っ張りは、開閉ダンパーのノブカバーで、簡単に付け外しができます。
気体が相手ですから、どこにも隙間がないように作りました。
右カバーに突き出たパイプは、組みつけた後、カバー側のイボを焼きつぶして接着。
カバーの取り付け後も、ノブカバーを外せば、開閉の操作ができます。
換気口側のイメージはこんな感じ。
これで完成、いい感じ。メーカーのオプションみたい? ♪
まとめ
一応、プリンター稼働中に発生するガスを屋外に排気するダクトができたのですが…
正直なところ、どれだけ効果的に使用できるのかは、実際に使ってみないとわかりません。
ダクトホース内の空気抵抗や向かい風の場合も想定すると、K1Cのケースファンの能力がそれに見合うものなのかどうか。
仮に、十分排気できるとなると、また別の心配があります。
エンクロージャー内の温まった空気を排出するということは、造形物の周囲温度が下がるはず。
PLAなら全く問題ありませんが、ABSなど反りが大きいフィラメントの場合は不利な要素なので、ファンの速度を調整する必要があるでしょう。
プリント中のケースファン速度は、タッチパネルやCreality Printから調整可能です。
当面は、試行錯誤が必要かもしれませんね。