壁掛けテレビの悩ましいところは、その設置方法。
所有・賃貸を問わず、できるだけ壁面を傷つけずに好きな位置に取り付けたい、というのが正直なところですね。
石膏ボードの壁でも、ほとんど傷つけることなく重いテレビを設置できるというアイテムを使い、65インチテレビを壁掛けにしました。
65インチテレビの落ち着くところ
息子夫婦のマイホームの居間には大きなテレビがあります。
65インチ。
近寄りすぎると、大きいので目がキョロキョロしてしまう‥
あれっ、テレビの足元をみると、台から落ちそうになっています。
ヒッチコック映画によくある ぶら下がりシーンのとき、
「テレビごと落ちそうー!」
って、ドキドキ倍増でいいんじゃない‥?
冗談はやめて。
落ちたら大変です。
さすがに本人も気になって、流行りの壁掛けテレビにしようか、なんて悩んでいたようです。
テレビを壁に掛けるメリットは‥
- 見た目すっきりで、オシャレな感じ
- 生活スタイルに合った高さを選べる
- 台に載せないので、省スペースかつ掃除もラク
- 地震のとき倒れる心配がない
- つかまり立ちの子どもがいても安心
デメリットは、
- 取付穴を開けるので、壁が傷つく
- 配線を隠さないと、オシャレが台なし
- 業者に頼むと4万円前後の設置費用が要る
- テレビの位置が変えられない
そして結論は、「やっぱ、壁掛けテレビがスマートでいいと思う。」
金具の種類や取付方法を調べて、DIYでやればデメリットは克服できそうです。
TVセッター 壁美人
壁を傷つけないびっくりアイデア
家は賃貸ではないけれど、新築なので壁を傷つけるのはためらいます。
そして壁は石膏ボード、どうやって重いテレビを掛けたらいいのでしょう?
石膏ボードはこんなとき、とてもやっかいな代物。
硬いもので突いたら、崩れて粉になります。
釘や木ネジを使うなら「豆腐に鎹(かすがい)、糠にくぎ‥」さらに「のれんに腕押し、馬耳東風?‥」くらいの難物です。
取り付け用のパーツを自作しようにも、思いつきませんね。
壁ウラの間柱を探してみましたが、位置が離れていて使えません。
いろいろ調べた挙句、「TVセッター壁美人」という、アイデア商品を見つけたようです。
この商品、なんと、テレビやモニターをホッチキスで石膏ボードに止めるという びっくりアイデア!
もちろん、テレビを直接ホッチキスで止めるのではありませんよ。
テレビを壁掛けするためのベース金具を、石膏クギでなくてホッチキスの針で止めようというのです。
ベース金具の取り付け方
これが「TVセッター壁美人」の中身。
オカラのようにボソボソ崩れる石膏ボードに止める方法なんて、一見したところで想像できません。
想像を超えたアイデアゆえに、取説をよく読んで取り掛かろう‥
ひととおり読んでみると、その仕組みは‥
たくさん穴の開いたベース金具を壁に当て、穴にピッタリはまる形状に成形されたポリカーボネート製フィルムをはめ込んで、フィルム部分をホッチキスの針で止めるようになっています。
65インチテレビに適合するのはLサイズ。
こんなペラペラなフィルムで大丈夫なのかな?
と思いきや、ポリカーボネートという素材は、衝撃に強く割れにくいことから、特殊部隊の透明な盾やヘルメットの防弾バイザーに使われたりしています。
きっと大丈夫なんでしょう。
ラインナップのうち「Lサイズ」の許容重量は25㎏までOKらしい。
うちのテレビは19kgなので余裕でクリアします。
ベース金具には360個の四角い窓が打ち抜いてあります。
これにフィルムをはめ込んで、ホッチキスで1か所あたり2針打ち込みます。
そうすると、360×2=720、720本のホッチキス針で19㎏のテレビを支えることになります。
単純計算だと、石膏ボードの壁に刺さった1本のホッチキスの針が、26.4gの重量を支えるわけで、なるほど、これ位なら余裕で耐えられるということでしょうね。
と、アイデアに感心したものの、「数で勝負」というのは、それだけ手間がかかるということ‥
720回、ひたすらホッチキスを打ち続けることに。
取り付けたときの姿はこんな感じ。
がっちりしていて、落下の心配はなさそう。
賃貸住宅だったら、いずれベース金具を取り外すことになると思いますが、ホッチキスの針跡はほとんど目立たないので安心ですね。
これは「壁美人」の大きな特長でしょう。
ところで、テレビですから水平に取り付けないといけません。
いかにだらけた姿勢で観ようとも、テレビ側は真っすぐでないと気持ち悪いですよね。
なので、金具を取り付けるときには、水平になるよう気をつけました。
気休め程度の気泡式の水準器が付いていますが、位置決めするときは、メジャーで金具の左右の高さを正確に測ると良いでしょう。
テレビ側にはブラケット
先にベース金具の取り付け方を紹介したので、実際の作業順とは逆だったのですが、最初の作業としては、テレビ側に壁美人のブラケットを取り付けます。
テレビの裏には、取り付け用のねじ穴が4カ所あるので利用します。
壁に掛けるときは、ブラケットをベース金具の上側のレール部分に引っかけ、下側のレール内に安全ボルトを締め込んで固定するようになっています。
テレビの上下方向の角度は、横に付いているノブ緩めれば変えられます。
ベース金具を壁に取り付ける前に、位置を決めないといけません。
まず、ベース金具とブラケットをセットした状態にします。
この状態のまま2人掛かりでテレビを抱え、壁に当てて取り付ける高さや横位置をよく検討し、決めたらベース金具の位置に印をつけておきます。
因みに、テレビの真上から見るとこんな感じ。
ブラケットもベース金具も、すべて取り付け作業が終わったし‥
じゃーん、壁掛けテレビ。
なんだ、以前と変わらないじゃないか。
いいえ、足がありませんよ‥
これから、アンテナ線やコンセントの周りのコード類もスッキリ整理するつもり。
ところで、一連の作業の途中、今回使った定番ホッチキスの定番たるところがわかりました。
意外に重要だったホッチキスと針
ホッチキスのスタンダード“MAX”
壁美人の取説では、ホッチキスの定番、マックスHD-10Dを推奨しています。
同じようなものだからと、100均のホッチキスで作業を始めたところ、ポリカのフィルムに負けました。
針を打つときは、ホッチキスを開いて建築用タッカーのように使うのですが、えいっと気合いを入れ打ち込んでも、3回に1回くらいは針が曲がって刺さりません。
ホッチキスが悪いのか‥
気持ちが削がれるし、途中で針が足りなくなるかも‥
マックスHD-10Dを買いに走りました。
ホッチキスを替えたら、バチッ バチッと気持ちよく刺さって快調、快調。
ホッチキスといえばマックス、さすがですね。
ステンレス針
ポリカフィルムを止める針は、壁美人のステンレス針を使用します。
普通の針は軟鉄なので、長い間に錆びて折れやすくなったり、用紙にサビが染みつくのを誰しも経験しているでしょう。
いったん取り付けたら、テレビの裏側で何年も耐えてもらわないといけないので、強くて錆びないステンレス製の針が必須なんでしょうね。
以上、びっくりアイデアに感心しながら、壁掛けテレビの設置は完了!
果たして耐久性やいかに‥
あとは720本の踏ん張りに期待しましょう。
この後、アンテナ線やコンセント周りのコード類をスッキリ整理しました ↓