DIYでチャレンジする、きれいなカーポート照明のプラン。
材料を揃え、家からカーポートまで電源ケーブルを引くことができました。
電源が確保できたところで、いよいよカーポート照明の配線工事。
第二種電気工事士の腕の見せどころです。
↓ 灯りプランと電源を引くまでの記事はこちらから ↓
カーポート配線加工の難所
頑丈な梁と柱の連結金具
カーポートの外観をすっきり保つには、配線は目立たない方がいいですね。
なので、手間はかかりそうですが、ケーブルをカーポートの柱や梁の中に通すことにしました。
アルミの素材なので電動ドリルで穴をあけるのは、それほど大変ではなさそうですし。
と、軽く考えていたのですが、実は大きな問題が…。
YKKのホームページにある「レオンポートneo」の組立説明図で、構造を調べてみました。
梁と柱の接続部分には連結金具がありますが、ここにケーブルが通る大きさの穴を開ける必要があります。
梁キャップを外して現物を確かめてみると、中は狭く、電動ドリルが入るほどのタテの寸法がありません。
なんといっても、アルミの梁と厚みのある鉄の連結金具が重なっているところなので、ドリルを斜めにして掘るのは難しそうです。
何か良い方法は、と調べました‥
L型アダプターで問題解決
あるもんですね、役に立つ道具が。
ドリルの軸の方向を90度変えるL型アダプターというものがありました。
L型アダプターの製品は数多くありますが、ドライバービット専用が多いです。
今回は、強度が必要なドリルビットも使用できるものを選びました。
これは、アネックス(ANEX) 強靭 L型アダプター AKL-600という製品。
ずっしり重くて、名前どおり強靭な感じがします。
価格は5千円もしますが、ここまできたら、想定外の出費でも手に入れるしかないので‥
今回、こちらのステップドリルも合わせて購入しました。
使うときはこんな風になります。
九官鳥のキューちゃん て感じで、愛くるしい‥
これなら梁の中でドリルが使えますね。
開ける穴は、なるべく連結金具の強度に影響しないよう、ケーブルの太さぎりぎりのサイズにします。
あれ、キューちゃんて、実はキツツキだったのか‥
なんて思う余裕もなく、ただ、頭をおさえてガガガッてやりました。
穴の径は12㎜、3芯のVVFがなんとか通ります。
こうして、連結金具の穴開けはなんとかクリアすることができました。
難しいカベを越えると、俄然、楽しくなりますね ♪♪♪
梁と柱にケーブルを通す
柱の穴からケーブルを引き出す
梁から、開けた穴を通して柱の中にケーブルを降ろし、柱のスイッチに接続するのですが、そのためには、いったんケーブルを柱から引っ張り出さないといけません。
柱の強度を損ないたくないので、穴はなるべく小さくしたい。
小さな穴からどうやってケーブルを引っ張り出そうかな‥
考えました。
アルミのワイヤーが手元にあったので、ケーブルの先にワイヤーの輪を付けて柱の中に垂らします。そして柱の穴からカギ棒を入れて、手探りで輪っかに引っかけて引き出すのです。
カギ棒は、ケーブルの芯線の先をカギ形に曲げたものです。
この画像ではちょっとわかりにくいですが、ケーブルの端切れがカギ棒です。
なんとか引き出せたものの、アルミのワイヤーはやわらかくて柱の中で輪の形が崩れてしまい、引っかけるのが難しくて苦労しました。
これはアイデア倒れ。
もっといい方法はありそう‥
梁の中にケーブルを這わせる
しかし、今度は、5メートル近い幅がある梁の端から反対側の端までVVFケーブルを押し入れようとするのですが、中でぐにゃぐにゃ曲がるばかりで端まで届きません。
通線ワイヤーというのを使えば簡単そうですが、安くても2~3千円するので、ムダな気がします。
思いついたのが、余ったPF管。土中に埋めた残りが3メートルばかりあったので、まず梁の中にPF管を通し、管の中にケーブルを押し込んでいったら簡単に向こう側の端まで通すことができました。
梁の中は、こんな風にケーブルがぐにゃぐゃ這うことになります。
やったことのない作業ばかりなので、方法をいちいち考えながらですが、それも楽しいもの。
なんとかケーブルをカーポートの部材の中に収めることができました。
だんだん形になっていくのは楽しいですね。
スイッチやコンセントを取り付ける
プルボックスとコンセントの取り付け
まず、建物から引いてきたPF管に接続したプルボックスを、カーポートの柱に取り付けました。
被覆がついたままのケーブルは建物の電源からのものです。
白黒の芯線の一対は柱の上の方に伸びていて、3路スイッチや照明器具に接続します。
もう一対は下に伸びていて、防水コンセントと接続します。
差込コネクタで接続しました。
後方の柱に3路スイッチの取付け
カーポート後方の柱に防水型3路スイッチを取り付けます。
柱からケーブルを引き出す方法は、前回、アルミのワイヤーはイマイチだったので、結束バンドを使ってみることに。
この改良版は、輪の形がしっかり保たれるので引っかけやすいし、切れる心配もなく、すんなりと引っかけることができました。
あとで別の方法も思いつきました。
結束バンドやワイヤーなど、柱の中でも輪の形を保てるものを穴から挿入して、ケーブルに結んだ糸を輪の中に垂らせば、もっと簡単に引き出せそうですね。
柱の穴の位置にスイッチのボデーを取り付け、引き出したケーブルを3路スイッチに接続します
これで、後方のスイッチの取り付け完了。
もう一つのスイッチは、前方の梁までケーブルを延長してから取り付けます。
後方から前方に配線の通路をつくる
後方の柱のスイッチの取り付けが終わりました。
対角前方の柱にスイッチを取り付けるには、電源を引き込んだ後方の梁から前方の梁へ、さらに続いて柱の中まで、ケーブルを伸ばす必要があります。
しかし、前後の梁の間には、中空の部材がありません。
ケーブルを隠して前方に伸ばしたいのですが‥
屋根回りの構造をよく見ると、前後の梁の間に屋根の側板があります。
その側板には、強度をだすためか、内側に2センチくらいの水平な出っ張りが付いています。
側板の出っ張りに、2㎝×2㎝の樹脂製のアングルをビス止めして、ケーブル受け用の溝を作りました。
この中に、2本のケーブルを這わせて前方の梁まで伸ばします。
前方の梁と柱の間の連結部分では、再びキツツキ君に活躍してもらって穴をあけ、ケーブルを柱の中に垂らします。
引き出したケーブルを3路スイッチに接続。
こちらのスイッチは、家の門側になる向きで取り付けました。
これで配線の主なところは済んだので、いよいよLED投光器を取り付けます。
LED投光器の取り付け
LED電源コードの加工
購入したLED投光器の電源コードは、プラグをコンセントに挿す仕様なので、VVFケーブルにつなぐには、少し加工しないといけません。
カーポートの梁に開けた12㎜程の穴にコードを通すため、プラグを切り取ってギボシ端子と付け替えました。
クルマ用のギボシ端子ですが、10ワット程度の器具なので大丈夫だと思います。
LED投光器のコードは「より線」なのでギボシ端子をかしめてつなぐことができます。
VVFの方は単線で、うまくかしめることができないのでハンダ付けしました。
小さい穴でも通しやすいように、端子の位置をずらしています。
カーポートの前後の梁に6台のLED投光器の取付穴を開けます。
1か所につき二つ。
一つはLED投光器の取り付けステーを固定するため、もう一つはコードを通す穴です。
梁の中をライトで照らしていたので、コードを通す方の穴が明るく見えています。
ステーは「ターンナット」を使って取り付けました。
薄い部材にねじ止めするときに使うと便利ですね。
ターンナットは、つばの部分まで部材の穴に差し込みます。
ターンナットの穴にねじを入れると、その先端が横を向いていたナット部分を90度回転させて、そのままねじ込めるようになり、ナットが引き寄せられて部材を挟んで締め付けます。
ターン(する)ナットですね。
こちらは、LED投光器につなぐため、ギボシ端子を梁から引き出したところです。
右の穴はターンナットを差し込んだ状態です。
梁の中の画像。
真ん中あたり、ステーの取り付けねじがターンナットで止まっているのがわかります。
LED投光器を取り付けたところです。
カーポートとよくマッチしたデザインだと思います。
真下から。
斜め下から。
真横から見たらこうです。
これで一応、照明器具やスイッチ、コンセントの取り付けが全部終わりました。
早く点灯してみたい…
でも、もう少しやることが残っています。
配線の接続とテスト
接続箇所はわかりやすく整理
後方の梁の中で、各ケーブルを差込コネクタとワンタッチコネクタで配線図どおり接続しました。
WAGOワンタッチコネクタは、「おっと、さし間違えた…」というときでも、付け外しが自在なので、とても便利です。全部これにしたいのですが、お値段が少し…ね。
ぐにゃぐにゃのケーブルも、整えたらカッコよく見えますね。
こちらは前方の梁の中の接続です。少しぐにゃぐにゃ感が残りました。
わかりやすく整理しておくと、後々、機能拡張やメンテのときに助かると思います。
回路のテストはどうやって?
一応、配線の接続が終わったのですが、いきなり100Vの電源に繋ぐ勇気はありません。テストしてみないと怖いですね。
その方法を考えました。
照明が点灯している時は、スイッチが閉じ、白熱灯ならばフィラメントで接地側と非接地側がつながっている状態です。
2つある3路スイッチをそれぞれ操作して、正しく導通していることが確認できればOKです。
カーポートの柱に取り付けたコンセントが利用できそうですね。
コンセントの接地側と非接地側には照明器具も並列で繋がっているので、テスターを繋いでスイッチ操作をすれば、導通の状態が切り替わることを確かめることができます。
コンセントに延長コードを繋ぎ、コードの先を剥いたプラグを挿しています。
プラグコードは、LED投光器から切り取った不用品が役に立ちました。
剥いたコードに、テスターをワニ口で繋ぎます。
こうして3路スイッチをパチパチしてみましたが、
あれれ?
導通しません‥
理由がわかりました。
LED照明の電子回路は、白熱電球のように接地側と非接地側とがフィラメントで単純につながっているわけではありません。
なので、事前に照明器具の接地側・非接地側をジャンパー線で短絡させた状態にしておく必要がありました。
こうして、なんとか2か所ある3路スイッチのどちらも、スイッチ操作で導通状態が切り替わることが確認できました。
材料が揃うなら、電源を乾電池にして、LED投光器を豆電球に置き換えて模擬的にテストする方法もあるかと思います。その方が直接的でわかりやすいかもしれませんね。
回路のテストが済んだので、いよいよ最終段階です。
電源に接続して 点灯!
ドキドキの電源接続
回路のテストが問題なさそうだったので、建物の電源にケーブルを接続します。
まず、分電盤で居間のブレーカーを切っておきます。
これが、居間にあるカーポートに近いコンセント。
20数年前に建てたパナホームのコンセントは、こんな丸いデザインです。
コンセントを壁から取り外し、カーポート側から引き込んでおいたケーブルを差込コネクタで接続しました。
さあ、いよいよブレーカーをオンします。
大丈夫とは思っても、オンした途端にバチバチッてならないか…ドキドキの瞬間です。
「パチン」 何も起こらない… よかった。
そしてカーポートのスイッチ オン
点灯! 感動しました。
が、やっぱり昼あんどんでは お役立ち感がイマイチ。
真っ暗闇にならないとね。
夜が待ち遠しい…
実際は、写真よりも随分明るく感じます。
大成功で
めでたし めでたし 。
柱にある2か所のスイッチで、思い通りに灯りをON・OFFできます。
ただ、カーポートですから、クルマの中から操作できるというのが必須ですね。
これにリモコン装置を取り付けたらカンペキ! かな。