3Dプリンターが気になる‥
DIYに役立ちそうだけど、ほんとに使える?
あるきっかけで踏み込んだら、希望の光が見えました。
はじめの一歩
やってみたら出来てしまった

ある時、電子基板を組み込むのに適当なプラケースがないかと、100円ショップで探してみました。
文房具のコーナーには、いくつか商品の入れ物としてプラケースがありますが、どれも「帯に短しタスキに長し」で、適当なものが見つかりません。
こんなとき、「3Dプリンター」なら思いどおりに作れるかもしれない。
しかし、まだまだとっつきにくい感じです‥
まだまだ感のイメージは主に3つ。
- 価格が高そう
- 設定とか温度管理とか、取り扱いが難しそう
- 3Dモデルの設計なんて、プロかマニアの世界みたい
このイメージがぬぐえるなら、DIYの強い味方になりますね、きっと。
そこで、今どきの3Dプリンター事情を調べてみたところ、
ちょっと希望の光が‥
価格的には3~5万円の手ごろなものでも、十分活用できそう。
使用時の設定なども、簡素化されて使い易くなっているらしい。
3Dのモデリングは、簡単さをウリにしている無料ソフトが使えるようだ。
ネットには無料の「Tinkercad(ティンカーキャド)」というモデリングツールがあります。
プリンターがなくても始められるし、とりあえず使ってみました‥
このツールは、インストールせずにブラウザ上で使えるのでお手軽です。
操作は直感的、積み木を組み合わせるような感じで形ができます。
Tinkercadのトップ画面はこんな感じ。

子どもでも取っつきやすそうな画面なので、入門にはうってつけ。
はじめの一歩って感じですね。
とりあえず、もともとのきっかけだった四角いプラケースに挑戦したら、意外に簡単に出来てしまいました。
冒頭の画像の四角い箱です。
フタをねじ止めできるように細工して。

基本は、ブロックを足したり引いたりして 立体の形を作っていきます。
右側の基本シェイプから固体のブロック(茶色)をドラッグ&ドロップして作業平面に置き、寸法を決め、小さい寸法の空洞ブロック(グレー)をはめ込む式で立体モデルを作ります。
細かい細工も、ブロックをいくつか足したり引いたりして形を作っていきました。
ついでに円柱のブロックを使って丸い箱も。こちらの方は単純でもっと簡単です。

3Dのモデリングって難しいイメージでしたが、こんな箱ぐらいなら意外に簡単です。
当然ながら、3Dプリンターで実物にしたくなります…
やっぱり、3Dプリンターが手元にないと始まらない。
家庭用3Dプリンターのおすすめの機種が紹介されている記事で、値段や使えるフィラメント素材、扱いやすさなどを調べました。
アマゾンで検索すると、ずいぶんたくさんの製品がありました。
目星をつけておいた3Dプリンターのレビューも一読したら…
すでに心の留め金はゆるゆるなので、あとはマウスをぽちっとするだけ…。
この時買ったのは、ANYCUBIC MEGA-S。メイドイン深セン中華製 39,999円。
購入時点ではクーポンが利用でき、少し安くなってラッキーでした。

こういう製品はどんどん性能が向上して価格も安くなりますね。
ANYCUBIC MEGA-Sは生産が終了し、さらにスペックの良くなった後継機Anycubic Kobra Neoが出ています。
成否は紙一重?
届いたANYCUBIC MEGA-Sの中身一式です。

門型のフレーム部分とベース部分が分割された状態なので、付属の工具を使って
本体を組み立てます。

合体するには、5㎜のネジ8本だけなので簡単。

フィラメントホルダーを取り付けます。

組立完了、あっけないです。

このあと、取説に従ってノズルとヒートベッド(台)の隙間の調整をする必要があります。
隙間が広いと、ノズルが押し出したフィラメントがヒートベッドに定着しにくい。
逆に、隙間が狭いとノズルがフィラメントを押し出しにくく、また、描いた線を引っ掻いてしまうようです。
この辺は紙のプリンターと違って完成度がまだですね。
こういう作業が苦手な人には少しハードルに感じてしまうかも知れません。
調整の方法は、まず、ヒートベッドの上にコピー用紙を1枚置き、ホームボタンを押して動作の起点になるホーム位置までノズルを移動させます。
ヒートベッドの四隅にある上下調整ネジを少しずつ回して隙間を詰めていき、紙を引いたとき破れない程度の強い抵抗を感じるくらいに調整します。


モーター電源をOFFにすると、手動でノズルを左右に、ヒートベッドを前後に移動させることができるので、ヒートベッド全面で同じ程度の隙間になるように調整します。
うまく調整できたかどうか、実際にプリントして確かめてみます。
取説に従って、付属のSDカードに入っているフクロウのフィギュアのサンプルデータを使ってテストプリントします。
フクロウの置物の第1層目だけをプリントしたらストップボタンを押して中断…
きれいな板状にできていればOKなんですが。

ヒートベッドを冷ましてから、付属のコテ、いやスクレイパーではがします。

今夜はお好み焼きか…
なんて思ってません。
あ-失敗。
1回目は隙間が広すぎたようで、一体化せずにバラバラな線に分かれてしまいました。
融けたフィラメントなのに、隣り合う線同士がくっついていません。

90度づつくらい調整ネジを回して隙間を詰め、3回目できれいな面ができました。

これで調整が完了、成否は紙一枚……っていうか紙一重ですね ♪

MEGA-Sではこんな風に苦労してレベル調整したんですが、後継のKobra Neoはオートレベリング機能を搭載していて、簡単に調整できるようです。
プリントデビュー
いよいよ自分でモデリングした箱をプリントしてみます。
まずは、Tinkercadで作った3DモデルのSTLファイルを「CURE」というスライサーソフトで3Dプリンター用のGcodeファイルに変換し、SDカードに保存します。
日本語なのに、何言ってるかわからん‥
要するに、3Dで造形した形がSTLファイルで、その形を作るために3Dプリンターにどう動けばいいのか指示するのがGcodeファイルってことでしょうか。
CUREは、プリンターの付属品のSDカードに入っていたものをインストールしました。
購入時に付属していたのは英語版でしたが、現行のバージョンでは日本語化されています。

Gcodeファイルを入れたSDカードをプリンターに挿入し、取説どおりに準備をしたらスタートします。
さあ プリントデビュー♪
ヘッドが動き出す時のわくわく感はなんとも言えません。
ヒートベッドが前後に、ノズルが左右に動きながら、一層づつ描き重ねていきます
規則正しく動いたかと思うと、急に意外な場所に移ったりするので「なんでだろー」と思いますが、出来ていく形を見ると、「そうか、そういう訳ね…」と、計算された動きに納得させられます。
ノズルの動作を決めるスライサーソフトって、凄いですね。

4㎝×5㎝×1.5㎝のこんな小さな箱なのに、完成まで1時間20分かかりました。
一筆書き方式なので仕方ないですね。

仕上がりは結構良い感じで、蓋が適度にはまり、爪先を引っかければパカッと開けることができます。
蓋の内側の1㎜程の高さの出っ張りは、箱の内側の寸法より僅かに小さめにしました。初めてなのでまぐれでしょうけど、ぴったしのはまり具合です。
ついに初心者の仲間入り。
気をよくして、丸いケースもプリントしました。
さわりを動画で…
完成。

こちらもフタがピッタリ。
パチンと閉めてパカッと開きます。
奥さんにケースをプレゼントしました。
「ずーっと音がうるさくて、ニオイはするし…
まだ2つだから、1つ2万円のケースよね…」
次の日、こんなになっていました。

なんだか、
先が楽しみになってきた…♪