YouTubeで見たスライドレールの丸鋸ガイド。
メジャーの目盛りとストッパー機能が付いて、同じ長さの部材を量産するのもラクラク。
45度の斜めカットも簡単です。
こんなのがあれば、気軽に木工DIYが楽しめそう‥
思い立ったところで、早速、作ってみました。
手軽に作れる丸鋸ガイド
量産カットも丸鋸ガイドで楽々~
最近、わけあって木製ベンチの座面を低くしようと思ったのですが、4本の脚を寸分違わずカットするのはなかなか難しいものです。
つい億劫になって、放置していました。
こんなとき、材料を簡単にセットできて、電動丸鋸をスライドするだけで何本でも正確にカットできるガイドがあれば、やる気もりもり、なんですが‥
YouTubeには、丸鋸ガイドを作る動画がたくさんアップされています。
今回のDIYのきっかけになった”HOME DIY”さんの丸鋸ガイドは、簡単に作れて自分のイメージにピッタリ。
これを参考にというか、ほぼ そのまんま作ることにしました。
丸鋸に合わせて材料を選ぶ
使用する丸鋸
丸鋸ガイドの相方はパナソニック EZT501。
20年ほど使っている古いものですが、まだまだ使えそう‥
刃径 135mm、切込み深さ 46mmで、2×4材のカットに適したサイズです。
主な材料
【①ベースの板】
板は、91cm×40cm、13mm厚のファルカタ板材(ランバーコア)です。
ファルカタというのは、見た目や特性が桐とよく似ていますが、比較的安価です。
この板は、ファルカタの集成材を芯材にして両側に板を張ったランバーコアなので、反りが少ないという特徴があります。
軽いし、柔らかくて加工しやすい反面、強度や耐久性はあまり期待できません。
使用するのが古い丸鋸なので、近い将来に買い替えたとき、レール幅や切込み位置も合わなくなるでしょうから、軽さを優先して選びました。
【②不等辺アルミアングル材】
2本使って、スライドレールにします。
購入したのは、長辺25mm、短辺10mm、1.5mm厚で、長さ1000mm。
強度的には厚さ 2mmが欲しいところですが、軽量なEZT501には十分でした。
丸鋸のモーターなど、ボディの出っ張りや刃と干渉しない限り、幅や厚みのある頑丈なものを選ぶとよいです。
【③角材】
角材は、レールを載せる「ブリッジ」と、カット材料を押し当てる「フェンス」に使います。
サイズは、取り付けたレールの上を丸鋸がスライドしたとき、ベース板を深さ数ミリほど切り込むくらいの高さのものがいいです。
高すぎると、材料が完全に切れませんからね‥
今回は余りものの角材で作りましたが、断面の長辺が42mmで、レールの厚み1.5mmをプラスしても43.5mm。
切込み深さ46mmの丸鋸でベース板に少し溝が入りました。
適当なサイズの角材がないときは、複数の合板を重ねて必要な高さにするのがいいかも。
うまく作るポイント
材料のカット
ベース板は、扱いやすさを考えて65cmの長さにカットしました。
角材は、レールを載せるブリッジと、カット材を押し当てるフェンスに切り分けました。
ブリッジは、15cmが2本。
丸鋸のベース幅が11cmなので、レール両側に約2cmの余裕をとっています。
フェンスの方は、ベース板の幅と同じ40cmにカットしました。
2本のアルミアングルは、ベース板と同じ65cmです。
ブリッジとフェンスの取り付け
ブリッジ2本は、ベース板の両端に配置します。
フェンスの方は、下の画像のように、丸鋸のベースをレールの先端までスライドさせたとき、刃の中心がフェンスまで少し入り込むくらいの位置に取り付けます。
このEZT501の場合だと、ベースの先端から刃の中心までの距離が110mmで、下の画像のような位置関係になります。
そうすれば、完全に切ることができますね。
ブリッジやフェンスは、スコヤを当ててベース板の辺と直角になるよう取り付けます。
実はスコヤが手元になくて、画像のは“スコヤもどき”です。
さしがねにカットした余りのアングルを貼り付け、スコヤもどきにしました‥
これでも用は足りましたけど‥
ベース板に取り付けるとき正確な位置にネジ止めできるよう、先に木工ボンドで接着しておきました。
ネジ止めのときズレたりしないので安心です。
裏側に下穴をあけて‥
ベース板の底に皿ネジの頭が出ないよう、太いドリルで少し削っておきます。
ネジ止め完了。
スライドレールの取り付け
まずは外側のレールから取り付けます。
穴の位置をポンチで突いてドリルで下穴を開け‥
アルミ板のみ、ビスの太さの穴に拡げます。
丸鋸をスライドするとき、引っかかるとまずいですね。
皿ネジの頭が完全に隠れるよう面取りしました。
力を入れすぎると大きな穴があくので、慎重に‥
面取りカッターがあると、もう少しきれいにできるのかも‥
レールは、スコヤを使ってフェンスと直角になるように固定します。
正しく直角であることが「ガイド」の命ですね。
直角の位置を決め、両面テープでフェンスに仮止めしたので、ドリルを使うときズレなくて安心でした。
内側のレールは、丸鋸のベース幅に合わせて位置を決めます。
丸鋸の刃を上げてレールに乗せ、
きつ過ぎず、ゆる過ぎず‥
のところで両面テープで仮止めしておきます。
スムーズにスライドできるか確認しながら、反対側の端の位置も決めます。
位置が決まったところで、ネジ止めして完成。
シュルルー‥
すりガラスを爪で引っ掻く感じにも似てますが、
スムーズにスライドするので、バッチリです。
丸鋸ガイドに溝入れ
丸鋸の刃を最大切込み深さまで下ろし、ガイドに切込みの溝を入れたら完成です。
最終段階はちょっとドキドキ。
うまく切り込みが入りました。
溝は僅かなので、ベース板が分割してしまうことはないでしょう‥
ところで、上の画像でわかりますが、外側レールの幅は鋸刃に近い位置まであります。
この位置関係だと、丸鋸がレール上をスライドするとき回転カバーが開いた状態に保たれるので、材料のカットし始めがスムーズになります。
アルミアングルを選ぶときのポイントの一つです。
追加のパーツでもっと便利に
シンプルな丸鋸ガイドが完成したので、機能や活用度がアップするパーツを作りました。
目盛り付きストッパー
フェンスに目盛りを入れ、その目盛りに合わせてストッパーで固定できれば、簡単に希望の長さにカットすることができますね。
まず、フェンスにできた鋸刃の溝を0位置にして、逆目盛りメジャーを貼り付けます。
両面テープ付きなのでとても簡単。
ストッパーの方は、動画では、コの字金具に鬼目ナット付きの木片を取り付け、ノブボルトでアジャストするストッパーが紹介されていました。
同じものを作るつもりでしたが、使えそうなコの字金具が見つかりません。
コの字型クランプの既製品があるかもしれませんが、探すのはあきらめて、フェンスの形状に合わせてオリジナルストッパーを自作しました。
ストッパーの部品は、アジャストボルトと板付きナット、ノブ。
手に入らなかったコの字金具の代わりは、3Dプリンターで作りました。
Fusion360でモデリングしたほぼ完成画面。
約3時間のプリントで‥
完成~
組み立てたストッパー。
板付きナットを接着、アジャストボルトとノブはダブルナットで固定しています。
フェンスに沿ってスムーズにスライド、ノブを軽く回せば固定できます。
例えば、22cmの長さにセットして‥
同じ長さで何本もカットできますね。
45度フェンス
材料を45度にカットできれば、ガイドのお役立ち度がさらにアップします。
画像のような45度フェンスを追加しました。
必要に応じて、簡単に脱着できるようになっています。
作るとき気をつけたいのは、角度と取り付け位置。
正確な45度にするのは言うまでもありませんが‥
位置の方は、不用意に決めてしまうと、カット材料が直角用フェンスに当たって45度に置けないなんてことに‥
下の画像のように、45度フェンスの延長線が直角用フェンスと交わらないようにしないといけません。
位置が決まったら、鬼目ナットの穴を開けます。
使う鬼目ナットは、6mmボルト用の 6M 10mm長。
6Mの下穴は8.7~9mmですが、小さめの8.5mmドリルビットを使用しました。
ベース板と45度に固定したフェンスを、共にドリルで垂直に貫通します。
六角レンチで、ベース板とフェンスの両方に鬼目ナットをねじ込みます。
柔らかいファルカタ材の方は、小さめの穴でもちょっとゆるい感じかな‥
フェンス側にもナットがあることで、取り外したときにノブボルトが脱落しないし、取り付けるとき、少し出たボルトの先が穴にはまり易くて助けになります。
ノブを回せば、45度フェンスはがっちり固定。
ふむふむ、ノブが見た目も良く いい感じ‥♪(自画自賛)
奥さん
邪魔だから、早く片付けてねー
はいはい‥
後日、この丸鋸ガイドを機能アップして、ヤザキのイレクターパイプをカットできるようにしました。
手動のパイプカッターで力まかせに切るのは結構大変でしたが、電動丸鋸なら らくらくですね。