電気工事士の資格を活かして、カーポートに照明を取り付けました。
でも、まだ未完成。
センサーライトは好みでなく、柱の2か所にあるスイッチで操作する仕様にしたので、出かけるときや帰宅の時に車の中から操作することができません。
自作のワイヤレススイッチでリモコンも使えるようにしたら、完璧なカーポー照明になりました。
カーポート照明をもっと便利にしたい
カーポートの照明のおかげで、暗いときの荷物を出し入れも安心。
いつのまにか床マットにタマネギが転がっていて‥
なんてこともなくなりました。
(照明の取り付け工事はこちらの記事で紹介しています ↓ )
スイッチを対角の2本の柱に取り付けて便利にしたつもりなんですが、ちょっともの足りません。
夜の車庫入れは、車のバックランプでOKと思っていましたが、やはり全体が明るい方がいいですね。
センサーライトだったら問題ないのですが、自分としては、センサーがやたら反応したり、タイマーで勝手に消灯するところが気に入りません。
車の中や、近くのどこからでも、リモコンでON・OFFできるといいのに‥
それが叶えば、完璧なカーポート照明になりますね。
リモコン化の方法
リモコン化は簡単だけど‥
アマゾンで検索してみると、無線のリモコンスイッチがたくさんあります。
スイッチをこれに代えてしまえば簡単にリモコン化できます。
ただ、それだと既設のスイッチがムダになります。
既設スイッチは、階段の照明のように、2カ所の柱のどちらからでもON・OFFできるよう3路配線にしました。
リモコンとこの柱スイッチが併用できれば理想的なんですが‥
3路スイッチ+4路スイッチ
ということで、3路配線にリモコンを組み込む方法を考えました。
階段照明に使われる「3路スイッチ」の回路は、2つの3路スイッチの間に「4路スイッチ」を足せば、何カ所でもスイッチを増やすことができます。
4路スイッチのような、接点を交互に切り替えることができるワイヤレススイッチがあれば簡単に組み込めるのですが、アマゾンで見つけたものはいずれも単純なON・OFFしかできないようです。
そこで考えたのは‥
4路スイッチをリモコン化
手元に、壁スイッチから取り外した古い4路スイッチがあります。
プッシュ式で、押すごとに中の接点が切り替わるタイプです。
ならば、指のかわりにリモコンで機械的にプッシュする装置を作ってみよう‥
ワイヤレスリモコンと4路スイッチを組み合わせた「リモコン4路スイッチ」ですね。
リモコン4路スイッチの製作
まずは部品を集め
実際に作れるかどうかは、部品の入手にかかっています。
プッシュ動作をする部品と言えば‥
自販機なんかによく使われている「ソレノイド」という電気部品があります。
電磁石の力でロッドが直線運動します。
アマゾンでDC 12V 2A 0.8Nというソレノイドを見つけました。
0.8N(ニュートン)は0.8㎏の物を1秒間に1m動かせる力の大きさらしいので、スイッチを押すには十分な気がします。
次は無線のワイヤレスリモコン。
ソレノイドがDC12V用なので、リモコンも同じ動作電圧のものを探しました。
送信機が2個ついて、3種類のモードでリレーを動作させることができます。
「モーメンタリ」のモードなら、Aボタンを押している間のみリレーがオン、離せばオフになります。
これなら、ソレノイドの動作を指と同じにできますね。
英語なのでわかりにくいです…
単語を調べながら読みました。
電源は、12V3Aの直流電源を購入しました
- 4路スイッチ(手持ち品。ホームセンターで買えば1,500円くらい)
- ソレノイド 601円
- リモコン 1,592円
- 電源 559円
これで主な部品がそろいました。
あとは、どのようにユニットにするか、です。
アルミ板の加工
シャーシ
手元に使い残しの2㎜厚 10㎝×20㎝のアルミ板がありました。
カーポートの梁に収まるレイアウトで部品を載せるシャーシにします。
これは、まだ未完成の状態ですが、大体がこんなイメージ。
まずは‥
アルミ板を金切りノコで適当な大きさにカット。
へたくそな切り方ですね‥
アルミなのであまり手間取りませんでしたが、真っすぐでないかも。
スイッチホルダー
細い方は、スイッチを固定するパーツとして使います。
スイッチを保持できる形に折り曲げています。
こんな感じです。
雑な加工ですが、折り曲げ具合はちょうど良く、ピッタリはまりました。
経験とカンの技です‥
もう一回同じものが作れるか、自信ありません。
スイッチの改良
スイッチには、プッシュ面に1㎜幅くらいの凸が1本あって、邪魔です。削るか周囲を盛るかですが、薄いゴムシートで盛って高さ調整をしました。
ソレノイドの改良
スイッチはど真ん中を押さないと、スイッチ面が傾いて確実に押せません。
購入したソレノイドは、プッシュする側は小さなナットだけなので、もっと大きくて平らなヘッドをつけることにしました。
しかしながら、適当な大きさや形のパーツが見つかりません。
思いついたのが、ダイソーのUVレジンとシリコン型。
これでプッシュヘッドを自作してみました。
シリコン型の凹みと位置を合わせてソレノイドを固定します。
先のナット部分が浸かるようにレジンを流し込みます。
レジンは日光でも固まるようですが、UVライトの方が強力で速いですね。
こんな感じにできあがりました。使えそうですね。
パーツを組み立ててテスト
12V電源、4路スイッチ、ソレノイドをアルミ板にレイアウトし、ビスで固定します。
これで冒頭の写真の姿になりました。
いよいよテストをしてみます。
ACコードとリモコン、ソレノイドの配線をします。
ユニットの仕組みは、
①電源がDC12Vを供給
ボタンを押すと、
②リモコンのリレーがON
③磁力でソレノイドが4路スイッチを押す
という訳です。
カーポートに取り付ける前に、カーポートの照明と同じ3路スイッチの模擬回路を作って、リハーサル風のテストをしてみました。
おぉ! これは使えそう
ところで、テストなら、なにも模擬回路まで組まなくても、リモコン操作でソレノイドがスイッチを確実に押すのを確認すればOKなんですが、電気工事士試験の技能練習のおさらいのつもりでやってみました。
ちなみに、3路スイッチ・4路スイッチの回路は、第二種電気工事士の技能試験の出題候補問題になっています。
ケーブル類を組み付けて最終仕上げ
あとは、カーポート側に接続するためのケーブル類の取り付けです。
4路スイッチにVVFケーブルを、電源にはACケーブルとリモコンの配線ケーブルを繋ぎます。
4路スイッチに接続した2本のVVFケーブルは、カーポートの2本の柱に取り付けた3路スイッチと接続します。
黒いのは電源のACコード。
細いケーブルはリモコン受信器につながっています。
ACコードはLED投光器から切り取った廃材を利用しました。コネクタでケーブルと繋ぐため、より線の先に棒端子をハンダ付けしています。
これは、リモコンの送信機と受信器。
これが「リモコンユニット」 の完成品。
はやる気持ちで カーポートへGO!
カーポート照明にリモコンユニット組み込み
配線図にリモコンユニットを追加
当初の配線図にリモコンユニットを追加しました。
矢印の部分です。
漏電ブレーカーで安全に
リモコン化とは直接関係ないですが、安全のため漏電ブレーカー(BE)を組み込むことにしました。
配線図では、電源のところに「BE」と記しています。
雨がかからない場所に配線を通し、器具も防水仕様にしていますが、強風が吹けば雨水が下から上に吹き上げられたりして、想定外のことがあるかもしれません。
もともと、照明の工事をしたときに気になっていたことなので、この機会に取り付けることにしました。
漏電ブレーカー(パナソニックBJS1512N)
これは2P2Eですが、100Vなので素子が一つの2P1Eでかまいません。
こちらはビフォー↓
アフターです↓
ちょっと窮屈ですが、スイッチレバーとケーブルが干渉しないので良しとします。
リモコンユニットは梁の中
リモコンユニットを梁の中に設置します。
ユニットの4路スイッチからのVVFケーブルと12V電源からのACコードを配線に接続し、作業完了です。
こちらはビフォー↓
アフター。↓
今回、コネクタを全部 WAGOワンタッチコネクタに替えました。
これだと配線の付け外しがとても簡単です。
なにせ手作りですし、動作に不具合が発生したときはすぐにメンテができますから。
最後に、リモコン受信器を梁の上に両面テープで貼り付け、
完成しましたー
では早速、
奥さん
夜中に帰宅したときも、これなら便利~♪
お気に入りのようです (おわり)
おまけ…リモコン化の費用です。
その後ですが‥
時々、リモコンにうまく反応しないことが起こるようになりました。
調べてみると、ソレノイドを使うときは、ある対策が必要だったのです。
ソレノイドのコイルに電流が流れると、スイッチを切ったときに高い電圧の逆起電力が発生し、スイッチの接点を傷めたりすることがあるそうです。
その対策として、ソレノイドにダイオードを接続し、コイルで発生した電流を再びコイルに逃がして熱に変えてやります。
ということで、リモコンユニットにダイオードを追加しました。
ダイオードの接続はソレノイドと並列に。
極性に注意が必要です。
使用した整流ダイオードは1N5401 100V-3A
マークと電流の流れる方向は画像のとおりです。
リモコン受信器の傷んだリレーは交換し、その後は快適に動作しています。